ケースに経年の汚れが見られます。本自体は全くきれいな状態です。いわゆる日本の「戦後文学」を中心に、大岡昇平、平野謙、埴谷雄高、花田清輝、佐々木基一の五人が責任編集者となり、1967年68年にかけて学芸書林が毎月一冊ずつ発行した、日本文学の野心的なアンソロジーです。15の分類項目を設け(「存在の探究」と「青春の屈折」はそれぞれ上下二巻)、各項目ごとに15作品から20作品位を収録しています。各巻とも500から600ページの大冊で、普通の小説の単行本5冊分位が一巻に収まっているといったボリュームが販売時驚きをもって迎えられました。従って短編ばかりではなく、かなりの長編と言っていいよう作品が一つの巻に並んでいたりします。埴谷雄高の「死霊」の全文を収めた(第7巻)のは画期的でした。その他、谷崎潤一郎から大江健三郎、石原慎太郎や司馬遼太郎まで普通の本では読めないような珍しい作品も多数あります。第13巻は詩集や短歌、俳句を集めています。このシリーズはその後も次第に評判を高め、2000年代に入り「新装版」が現れましたが、定価が5000円から7000円となりおいそれと買える本ではなくなってしまいました。オリジナル版は一律定価750円でしたからこれは驚きです。収録本の全リストについては次を参照してください。
いずれにせよ本好きには今でもたまらないシリーズだと思います。商品の情報
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商品の状態 | やや傷や汚れあり |